ヤマトイモ現地検討会
埼玉県大里農林振興センターは6日、熊谷市妻沼小島地区で、ヤマトイモの現地検討会を開きました。生産者や、大里農林振興センター、熊谷市役所、当JA担当者が参加しました。
同地区のヤマトイモは、利根川により形成された肥沃な土壌が栽培に適していることから特産品として生産されています。
長芋に比べ粘りが強く、コクと濃い味が特徴で、JA農産物直売所の看板商品として人気があります。
同地区では、圃場の降水量や土壌水分等の「見える化」を図るため、遠隔で数値を確認できる環境モニタリングシステムの実証試験を22年から行っています。
ヤマトイモの収量や品質に大きな影響を与える潅水管理について、システムを活用することで、従来、経験や勘で判断していた潅水作業をデータに基づき適切に行うことができます。
また、今年からトンネル支柱を用いた立体栽培を試験的にはじめました。ヤマトイモのつるを立体的に誘引、配置することで、芋の肥大期の葉の数量を確保し、受光態勢を向上させることが狙いです。
つるが伸びてきた7月上旬に、畝から45センチの高さに頂点がくるように支柱を設置。畝に対して平行に支柱を設置した試験区と、畝上に支柱をクロスさせた試験区を用意しました。その後、7月中旬と下旬の2回、つるの繁茂状況を分析するため、ドローンを使い実証圃場を空撮しました。
現地検討会では、大里農林振興センター農業支援部、技術普及担当の和田駿一主任が、実証内容や現在の状況について説明しました。
和田主任は「いままで地這い栽培だったヤマトイモの地上部の栽培環境が改善されることで、収量増加や品質向上に結び付けば良い」と話しました。
実証圃場を提供した大和芋生産者の赤石正樹さん(43)は「この試験栽培を通じて、暑い夏場の作業の省力化やA品率の向上につながればうれしい」と話していました。
