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ツルムラサキの収穫作業続く

ツルムラサキの収穫作業続く

 熊谷市で夏場の貴重な葉物野菜であるツルムラサキの収穫作業が続いています。市場や直売所を中心に5月から10月下旬頃まで出荷が続く予定です。24年産は同市全体で5738ケース(1ケース=1袋250グラム以上×20袋)の出荷があり、本年産は作付面積の拡大に伴い出荷数量が若干増える見込みです。

 ツルムラサキは熱帯アジア原産のつる植物で、ビタミンやミネラルを多く含みます。同市では江南地区が県内有数の産地として市場から評価を受けてきました。

 23年に市内の市場から、需要の高まりにあわせ取扱量を増やしたいと当JA園芸畜産課に要望がありました。同課は、江南地区の他に作付の拡大ができないか考え、野菜の生産が盛んな妻沼地区の生産者に夏場の収入源として期待できるツルムラサキを提案しました。

 当初は5人の生産者が試験的に栽培に取り組みましたが、年々生産者が増え、25年産は妻沼地区で14人が50アール作付けするまでになりました。

 妻沼地区の齊藤健一さん(75)はツルムラサキを3アール生産しています。

 元々、ネギやニンジンを生産している齊藤さんは、昨年の秋にJA担当者からツルムラサキの提案を受け、今年から栽培に取り組みました。5月中旬に播種し、7月上旬から収穫作業をはじめました。

 収穫作業は早朝から妻の千代子さん(74)と二人で行います。出荷規格に合わせ23センチを目安に収穫し、作業場で出荷調製作業をした後、その日の内に平均で3ケース程度JA妻沼東部野菜集出荷所に出荷します。

 健一さんは「JAから提案を受けやってみようと思いはじめた。特別な機械も必要なく低労力で生産できるため、高齢者にやさしい作物だと思う。今後も生産を続けていきたい」と話しました。

 妻の千代子さんは「ツルムラサキは卵と一緒に炒めて食べるのが簡単でおススメ。天ぷらにしてもおいしい」と話していました。

 園芸畜産課の新井純子係長は「齊藤さんは非常に丁寧な栽培、調製を心がけてくれている。今後も農家の所得向上に貢献できるように栽培をサポートしていきたい」と話しました。