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ゴマの機械化栽培体系実証試験

ゴマの機械化栽培体系実証試験

 埼玉県大里農林振興センターは10日、熊谷市道ケ谷戸の圃場で、ゴマの機械化栽培体系の実証試験を行いました。

 県内の生産者をはじめ、業者、全国農業改良普及支援協会、農林振興センター、農業技術センター、当JA等の関係機関が参加。小型機械化体系と大型機械化体系の作業時間、収量、品質を比較することで、大型機械化体系で効率的なゴマ栽培が可能であることを実証しました。

 埼玉県はかつてゴマの栽培が盛んでしたが、収穫調製作業の機械化が進まなかったことから栽培が衰退しました。近年、ゴマの収穫調製に関する新たな機械化体系が提案され、大型機械の活用が可能な土地利用型作物として栽培面積の拡大が期待されています。しかし、ゴマは手間がかかる等のイメージから導入に消極的な生産者も多いため、大型機械化体系で効率的なゴマ栽培ができることを実証し、県内生産者のゴマ栽培の導入意欲増進を図ります。

 実証に協力したのは同地区でゴマを1ヘクタール生産するビーナスファーム合同会社の若山美奈子代表。

 自身の圃場に設置した実証区で、メーカー担当者が改造を加えたソバ用のコンバインを使いゴマを収穫しました。蒴果の状態で収穫できるため、従来のバインダを使った収穫に比べ大幅な労力削減につながることを確認しました。

 その後、当JA妻沼西部集出荷所に場所を移し、農業用乾燥機による乾燥作業と、回転ふるい機を使った脱粒作業の実演を行いました。参加者たちはメーカー担当者等の説明に熱心に耳を傾けていました。

 若山代表は「今までは道具に動力を付けるなど工夫をしながら反単位のゴマ生産を行ってきた。今後、大型機械を導入することで次のステージに進むと思う。将来的には10ヘクタール規模の生産も可能なのでは」と話しました。

 今回の実証を担当した、大里農林振興センター農業支援部技術普及担当の丹野和幸主任は「ゴマは暑さや乾燥に強いため埼玉県の気候に適している。今回の実証を通して県内のゴマ生産を大規模化し、米麦、大豆に次ぐ第4の土地利用型作物として普及させていきたい」話しました。